kamaitati1106's diary

某大学教員の備忘録など

気の向くままに

久しぶりにブログを再開しよう。元のブログはここ( つれつれ草 )。

 

時が経つのは早いもので、いつの間にやら大学教員になっていた。中堅国立という言葉がピッタリの東京の大学。

 

まず中堅国立大学の教員になってビックリしたことは、こんなにもお金がないんだ、ということと、こんなにも学生のレベルって低いんだ、ということ。2,3年前には1000万円を超えていたスタートアップ資金も、私が着任した1年前では600万円。大金に聞こえるかもしれないけれど、実験系の研究室からしたら絶望的に低い金額です。1台400万円越えする実験機器とかないとまともにできない実験もあるんです (それでもまだ安い方だと思う)。それに学生部屋、自分の部屋、実験部屋の机や椅子を購入しなくてはならず、足りるわけないでしょ、という金額。結局、元々偉い先生の弟子でコネでお金とって自分の実験機器を持っている人しかまともに研究できない残念な状況(そして偉い先生の弟子は必ずしも賢くない)。うん、こりゃ中堅国立はアカンな、と感じました。

 

でも救いとなる面もあり、上位校に負けるわけにはいかん、と一線で活躍している研究者の方々も一定数います。というより、残念教員率は高いけど、残念ではない教員のレベルは東大・京大と変わらないです。

 

とはいえ、モチベーションの低い学生が多数卒研生として配属されてしまうのが中堅国立の現状。そして大した理由もなく修士課程まで残る…(就職に有利、とか言っている人が多いけど、その情報の信頼性も怪しい & 修士を積極的に採用する企業は教育力ないですよ、と言っているものなのだから行く価値ないでしょう)。まあ、これは中堅国立というより工学部の問題か。工学部は上位層は賢いんだろうけど、不良債権の数はそれ以上に多くて、これは害虫学部だなあ、と感じることも多々あります。文系つぶせー、という動きがあるようですが、文系出身の私からしてみれば、文系はムダに大学院行かない分まだマシだと思います。